2017.07.28
香りと心身機能
今年も春が過ぎ、梅雨が明け、夏の到来となります。季節の移り変わりを早く感じながらも、ふとした時、季節ごとに外気の"匂い"が異なると思いました。
ヒトの持つ匂う機能とはどういったものなのか、疑問に思ったため
今回『香りと心身機能』との関連について述べさせて頂こうと思います。
良い香りには、リラックス効果や美容効果があるとよく耳にすると思います。ただその他にも、脳への刺激より誤嚥を防ぐ効果や運動負荷後の血圧回復の効果があると論文の研究結果より出ています。
人間には五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)があります。この中にある嗅覚について、、、
匂いは、鼻の中にある感知する毛によって成され、細胞を通して脳まで伝達されどういった匂いなのか、快なのか不快なのかを認知します。
そして嗅覚の驚くべき所は、五感で唯一ダイレクトに大脳辺縁系へ到達します(視覚や聴覚などは視床や大脳皮質を介して大脳辺縁系へ)。
大脳皮質は考えたり記憶するなどの知的活動を司る、
大脳辺縁系は食欲や性欲など本能に基づく行動、喜怒哀楽などの情動行動を支配し自律機能に大切な役割があります。
したがって嗅覚機能により、良い香りを嗅ぐと感情や本能に作用しやすく、リラックスなどに結び付くのだと解明が進んでいます。
嚥下:
誤嚥を防ぐためには嚥下機能が必要となります。
嚥下機能は主に脳の機能が大切となります。嗅覚と嚥下との関連性での視点では、『海馬』が挙がります(脳の中にある部分の名称)。
記憶を司る『海馬』は嗅神経と直接つながっており、匂いの刺激によって海馬の部分も刺激され、嚥下機能が促されるといわれています。
『海馬』はダメージを受けやすい反面、脳内では珍しく再生可能な脳ともいわれています。
血圧:
香り情報は、視床下部にも伝えられます。視床下部は自律神経系に働きます。なので、交感神経・副交感神経と関与しています。心拍数や呼吸数、血流量、そして血圧と関与している事が分かります。
香りの種類と心身への影響:
種類
- 樹木系
- ハーブ系
- 柑橘系
- フローラル系
- エキゾチック系
- 樹脂系
- スパイス系 etc
〈健康維持〉
ラベンダー:便秘改善、交感神経の抑制(身体・精神面へのリラックス効果)
ペパーミント・ユーカリ:呼吸器系の改善
レモン:血液サラサラ
シナモン・ジンジャー:身体を温める
樹木や畑、芝生地からの揮発:ストレス緩和など
〈美容・ダイエット〉
ローズ:美肌
グレープフルーツ:血圧降下、血行促進、新陳代謝を上げる、脂肪燃焼
キンモクセイ:食欲を促す
〈その他〉
ブラックペッパー:誤嚥予防
香りと心身機能に関し、以上述べさせて頂きました。
上記以外にも、香りの種類であるとか、匂う時間の最適時間などベストな方法はヒトそれぞれ様々だと思いますので、今回のブログの内容は参考程度にして頂ければと思います。
一読して頂き有難うございました。